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タイトル: 「集団的思考と危機Ⅱ ——1930年代の中井正一と分裂するディアロゴス——」
タイトル(別表記): Collective thought and crisis: Masakazu NAKAI in 1930's and splitting dialogos
著者名: 門部, 昌志
著者名(別表記): MOMBE, Masashi
発行日: 2021年12月22日
出版者: 長崎県立大学
雑誌名: 研究紀要
号: 6
開始ページ: 24
終了ページ: 29
ISSN: 2432-616X
抄録: 本稿は、一九三○年代半ばまでの中井正一の軌跡を機能概念を中心として再構成した「集団的思考と危機Ⅰ」の続編である。「委員会の論理」(一九三六年)において、機能の論理は限定的に批判されるようになる。機能概念は、技術論の領域に寄与するが、専門家と大衆の乖離をももたらすとされる。機能概念は、骨組みに過ぎず、技術の論理によって目的ないし方向を与えられる。「委員会の論理」において、討論、思惟、技術、生産について説明したのち、中井は、商品化と専門化の問題を扱う。まず概念が商品的性格を帯びることで、人間的目的の方向にそっての批判を欠いた「無批判性」の性格をもつことが指摘される。次に、分業化ないし専門化によって生じる問題としては、協同的統一性からの遊離としての「非協同性」の現象が指摘される。これら無批判性と無協同性から概念を救済する方策として提案されるのが実践の論理である。実践の論理は、審議性と代表性からなっている。審議性は、提案から質問、説明、討議、そして決議に到達する。代表性は委任と実行からなっている。審議性より代表性へと転化する過程は計画と呼ばれる。計画は実行を経ることにより報告となる。提案、決議、委任、実行、そして報告と批判を経て新たな提案に回帰する委員会の図式は、実行を媒介とした転化の過程である。それは、自己関係的な否定によって発展し分裂する<過程>である。提案、決議、委任、実行という、中井の提示した手続に対しては、それ自体が提案であると位置づけられ、この「図式が自ら他のものに換はることに又実践の論理の重大な意味がある」と述べられた。
キーワード: 機能
危機
主体性
URI: http://hdl.handle.net/10561/1790
出現コレクション:第6号

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